デューデリジェンスは売り手から買い手への責任移転のための詳細調査であり、非常に広範囲に及びます。今回は、財務・法務・ビジネス・人事/労務・税務・不動産・IT・知的財産・環境といった、9種類の専門分野をご紹介します。

・財務デューデリジェンス

（主な専門家：公認会計士、税理士）
対象企業の財務諸表その他の財務・会計に関する情報等が適正かどうかについて調査するもの。また、内部統制（管理）の仕組みが適切に構築されているか、その他の財務・会計・経理的なリスクがないかなどについても調査が行われる。

・法務デューデリジェンス

（主な専門家：弁護士・司法書士）
対象企業が締結した契約や取引行為に著しく不利なものはないか、それらが法的に遵守され、適切に実施されているか等について調査するもの。株式等が適切に所有されているかなどについても調査が行われる。

・ビジネスデューデリジェンス

（主な専門家：経営コンサルタント、中小企業診断士）
ビジネスの仕組みや強み・弱み・機会・脅威（SWOT）、経営管理の状況などの分析を通じて、対象企業とその企業を取り巻く内外の状況について詳細に調査するもの。

・人事/労務デューデリジェンス

（主な専門家：社会保険労務士、弁護士）
対象企業の人事や労務に関する制度（就業規則や給与規程、退職金規程等）の整備状況やその運用状況（実態）などについて詳細に調査するもの。

・税務デューデリジェンス

（主な専門家：税理士、公認会計士）
対象企業の法人税や消費税等の税金が適正に申告納税されているかどうかを調査するとともに、企業の行っている取引に税務上のリスクがないかについて調査するもの。

・不動産デューデリジェンス

（主な専門家：不動産鑑定士、宅地建物取引士）
対象企業の所有している土地、建物及び設備等の状況、機能、人体に与える影響、賃借人の信用力や周囲のマーケット環境等、対象となる物件を取り巻く内外の状況について調査するもの。

・ITデューデリジェンス

（主な専門家：システム監査士、IT技術者）
対象企業の情報システムの構築状況および組織・管理・業務フロー等を評価し、その後の運用やシステム統合などを行ううえでの重要項目について調査するもの。

・知的財産デューデリジェンス

（主な専門家：弁理士、弁護士）
対象企業の所有している特許権や工業所有権、意匠権、著作権等の無形の知的財産について、その所有権が実際に企業に存在するか、その価値はどの程度か等について調査するもの。

・環境デューデリジェンス

（主な専門家：環境コンサルタント）
対象企業の所有する不動産等がアスベストや土壌汚染などの環境に負荷をかける状況になっていないか、これらを治癒する場合にはどの程度の期間やコストを要するか等について調査するもの。